介護職員初任者研修は働きながら受講可能?仕事と両立する方法と注意点
介護職員初任者研修は、介護業界で働くための入門資格として広く知られています。「働きながらでも取得できるのだろうか」「仕事と両立できるか不安」という声は多く聞かれます。結論から言えば、介護職員初任者研修は働きながらでも十分に取得可能です。通信と通学を組み合わせたハイブリッドスタイルや、土日集中コース、夜間コースなど、さまざまな受講スタイルが用意されているためです。本記事では、仕事を続けながら介護職員初任者研修を受講するための具体的な方法と注意点を詳しく解説します。
介護職員初任者研修は働きながらでも取得できる
介護職員初任者研修は、旧ホームヘルパー2級に相当する介護の入門資格です。介護の基礎知識と技術を体系的に学べるこの研修は、働きながらでも取得できるように設計されています。多くのスクールが仕事との両立を前提としたカリキュラムを提供しているため、フルタイムで働いている方でも無理なく資格取得を目指せます。
取得には厚労省指定の研修受講が必須
介護職員初任者研修は、独学のみでの取得ができない資格です。必ず厚生労働省が指定するカリキュラムに沿った研修を受講し、修了試験に合格する必要があります。これは介護の実技を正しく習得するために、対面での指導が欠かせないためです。
実技では、ベッドからの移乗介助や食事介助、入浴介助など、実際の介護現場で必要となる技術を学びます。これらの技術は動画や書籍だけでは正確に身につけることが難しく、指導者からの直接的なフィードバックを受けながら繰り返し練習することが重要です。
一部は自宅学習で補える
通信講座を併用することで、研修時間の一部を自宅学習で補うことが可能です。具体的には、座学部分の約40時間を通信教育で学ぶことができます。自宅学習の対象となる主な科目には、介護の基本的な考え方や制度の理解、老化や認知症に関する知識などがあります。
通信学習のメリットは、自分の都合の良い時間に学習を進められる点です。仕事の休憩時間や通勤時間、就寝前のわずかな時間を活用して学習を進めることができます。ただし、実技を含むスクーリングは必須となるため、完全に自宅だけで資格を取得することはできません。
受講時間と修了試験の目安を押さえる
介護職員初任者研修の総研修時間は約130時間で、これは厚生労働省によって定められた必須の時間数です。内訳としては、座学部分が約40時間、実技中心の学習が約90時間となっています。通信併用の場合でも、スクーリングとして約80.5時間以上の通学が必要です。
修了試験は研修の最後に実施され、これに合格することで資格を取得できます。試験の難易度は比較的低く設定されており、研修内容をしっかりと理解していれば合格できるレベルです。不合格となった場合でも、多くのスクールでは追試や再試験の機会が設けられています。
初任者研修のカリキュラム
介護職員初任者研修のカリキュラムは、9つの科目で構成されています。各科目の内容と研修時間を把握することで、学習計画を立てやすくなります。
以下が初任者研修の科目構成と研修時間の一覧です。
| 科目番号 | 研修科目 | 研修時間 |
|---|---|---|
| 1 | 職務の理解 | 6時間 |
| 2 | 介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
| 3 | 介護の基本 | 6時間 |
| 4 | 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
| 5 | 介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
| 6 | 老化の理解 | 6時間 |
| 7 | 認知症の理解 | 6時間 |
| 8 | 障害の理解 | 3時間 |
| 9 | こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
このように、科目9の「こころとからだのしくみと生活支援技術」が75時間と最も長く、実技演習が中心となります。この科目では実際の介護技術を繰り返し練習するため、通学での受講が必須となっています。
取得にかかる一般的な期間
介護職員初任者研修の取得期間は、選択するコースによって1ヶ月から4ヶ月程度の幅があります。短期集中コースであれば最短1ヶ月程度で取得可能ですが、働きながらの場合は2ヶ月から4ヶ月のコースを選択する方が無理なく学習を進められます。
通学日数は平均して約15日から20日程度となっています。週に1回から2回の通学ペースであれば、仕事を続けながらでも十分に通うことが可能です。自分の仕事のスケジュールや生活リズムに合わせて、最適な期間のコースを選択することが大切です。
働きながら受講するためのコースと受講スタイル
働きながら介護職員初任者研修を受講するには、自分の勤務形態や生活スタイルに合ったコースを選ぶことが重要です。現在では、多様なニーズに対応するため、さまざまな受講スタイルが用意されています。ここでは、働く人のための主な受講コースと、それぞれの特徴を詳しく解説します。
通信と通学を組み合わせたハイブリッドスタイル
最も人気があるのが、通信学習と通学を組み合わせたハイブリッドスタイルの受講方法です。座学部分を自宅で学習し、実技演習のみ通学するため、スクーリングの日数を最小限に抑えることができます。
通信学習では、テキストを使った自主学習に加え、レポート課題の提出が求められます。課題は各科目の理解度を確認するためのもので、テキストを読みながら取り組めば十分に解答できる内容です。仕事の休日や空き時間を活用して、自分のペースで学習を進められる点が大きなメリットといえます。
週1回コースや土日集中コース
平日に仕事がある方には、週1回コースや土日集中コースが特に人気です。週1回コースでは、毎週決まった曜日に通学するため、シフト調整がしやすくなります。一方、土日集中コースは週末を利用して集中的に学習を進めるスタイルです。
週1回コースの場合、修了までに約3ヶ月から4ヶ月かかりますが、仕事への影響を最小限に抑えながら受講できます。土日集中コースは約2ヶ月から3ヶ月で修了でき、平日の仕事に支障をきたさずに資格取得を目指せます。どちらのコースも、休日を有効活用したい方に適しています。
夜間コースや平日夕方クラス
日中の仕事後に受講したい方には、夜間コースや平日夕方クラスという選択肢があります。夜間コースは18時以降に開講されることが多く、日勤で働く方でも仕事帰りに通学することが可能です。
ただし、夜間コースを開講しているスクールは限られているため、事前に通える範囲にあるかどうかを確認する必要があります。また、仕事で疲れた状態での受講となるため、体力的な負担も考慮しておくことが大切です。学習の集中力を維持するために、受講前に軽い食事を取るなどの工夫も有効です。
振替や欠席対応のあるスクールを選ぶべき理由
働きながら受講する場合、急な仕事の都合でスクーリングに参加できないこともあります。そのため、振替制度や欠席対応が充実したスクールを選ぶことが非常に重要です。振替制度がないスクールでは、欠席した分の授業を受け直すことができず、最悪の場合は修了が遅れる可能性もあります。
スクールを選ぶ際には、以下の点を確認しておくことをおすすめします。
- 他の日程への振替が可能かどうか
- 振替に追加費用がかかるかどうか
- 振替可能な回数に制限があるかどうか
- 他の教室への振替が可能かどうか
これらの点を事前に確認しておくことで、仕事との両立における不安を軽減できます。
休日や勤務形態の交渉方法
研修を受講するにあたり、職場との調整が必要になる場合は、早めに上司や人事担当者に相談することが大切です。介護資格の取得は、多くの職場で前向きに捉えられることが多いため、協力を得られる可能性は高いといえます。
交渉する際には、具体的なスケジュールと期間を明確に伝えることがポイントです。「毎週土曜日に通学するため、約3ヶ月間は土曜日の勤務が難しい」など、具体的な情報を提示することで、職場側も調整がしやすくなります。また、資格取得後のキャリアプランや、会社にとってのメリットを併せて伝えると、より理解を得やすくなるでしょう。
働きながら合格するための学習計画とスクール選び
働きながら介護職員初任者研修を修了するためには、計画的な学習とスクール選びが成功の鍵となります。無理のないスケジュールを立て、自分に合ったスクールを選ぶことで、仕事と学習の両立がスムーズになります。ここでは、具体的な学習計画の立て方とスクール選びのポイントを詳しく解説します。
現職のシフトに合わせた具体的な学習スケジュール例
働きながら学習を進めるためには、自分の勤務シフトに合わせた現実的なスケジュールを立てることが重要です。以下に、異なる勤務形態に応じた学習スケジュールの例を紹介します。
平日勤務の方の場合の学習スケジュール例をご覧ください。
| 時間帯 | 平日 | 土曜日 | 日曜日 |
|---|---|---|---|
| 午前 | 通勤中にテキスト確認 | スクーリング参加 | 自宅学習(2時間) |
| 午後 | 仕事 | スクーリング参加 | レポート作成 |
| 夜間 | 自宅学習(30分から1時間) | 復習 | 休息 |
このように、隙間時間を活用しながら学習を進めることで、無理なく研修を修了することができます。シフト制勤務の方は、スクーリング日を事前に把握し、その日に休みを取れるよう調整しておくことがポイントです。
短期集中と長期分割どちらが向いているか
受講期間を短期集中にするか長期分割にするかは、自分の仕事の状況や学習スタイルによって最適な選択が異なります。それぞれのメリットとデメリットを理解した上で選択することが大切です。
短期集中コースと長期分割コースの比較は以下のとおりです。
| 項目 | 短期集中コース(1から2ヶ月) | 長期分割コース(3から4ヶ月) |
|---|---|---|
| メリット | 早く資格取得できる、モチベーション維持しやすい | 仕事への負担が少ない、学習内容が定着しやすい |
| デメリット | 通学頻度が高い、体力的負担が大きい | モチベーション維持が難しい、修了まで時間がかかる |
| 向いている人 | まとまった休みが取れる人、集中力がある人 | 仕事が忙しい人、じっくり学びたい人 |
自分の性格や生活リズム、仕事の繁忙期なども考慮しながら、最適なコースを選択してください。
職場の支援制度を活用する
介護業界では、資格取得を支援する制度を設けている事業所が多くあります。すでに介護施設で働いている方は、職場の支援制度を確認してみることをおすすめします。受講費用の補助や、研修日の有給取得、シフト調整などの支援を受けられる可能性があります。
また、ハローワークの教育訓練給付制度を利用すれば、受講費用の一部が給付されます。一般教育訓練給付の対象講座を受講した場合、受講費用の20パーセント(上限10万円)が支給されます。さらに、一部のスクールでは就職を条件に受講料が無料になるキャンペーンを実施しているところもあります。
スクール選びのチェックポイントを明確にする
スクールを選ぶ際には、複数の観点から比較検討することが大切です。以下のチェックポイントを参考に、自分に最適なスクールを見つけてください。
- 通学しやすい立地にあるか
- 自分の希望する曜日や時間帯のコースがあるか
- 受講費用は予算内か(相場は2万円から7万円程度)
- 振替制度や欠席対応が充実しているか
- 就職サポートや資格取得後のフォローがあるか
- 口コミや評判は良いか
特に働きながら受講する場合は、立地と振替制度が重要なポイントとなります。職場や自宅から通いやすい場所にあるスクールを選ぶことで、通学の負担を軽減できます。可能であれば、事前に説明会や見学に参加して、雰囲気を確認しておくとよいでしょう。
まとめ
介護職員初任者研修は、働きながらでも十分に取得可能な資格です。通信と通学を組み合わせたハイブリッドスタイルや、土日集中コース、夜間コースなど、多様な受講スタイルから自分に合った方法を選ぶことができます。
受講を成功させるポイントは、自分の勤務形態に合ったコースを選び、計画的に学習を進めることです。振替制度が充実したスクールを選ぶことで、急な仕事の都合にも対応できます。また、職場の支援制度や教育訓練給付制度を活用すれば、費用負担を軽減することも可能です。
介護職員初任者研修を修了すれば、身体介護ができるようになり、介護職としてのキャリアアップの第一歩を踏み出せます。仕事と両立しながら資格取得を目指す方は、まずは自分に合ったスクールやコースを探すところから始めてみてください。
