はじめての介護

2026.01.23

介護ロボットの種類とメリットを徹底解説|用途別にわかる選び方ガイド

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高齢化が進む日本において、介護現場の人手不足は深刻な課題となっています。そうした中で注目されているのが、介護ロボットの活用です。移乗支援や見守り、コミュニケーションなど、様々な種類の介護ロボットが開発され、介護職員の負担軽減や利用者の自立支援に役立てられています。本記事では、介護ロボットの基本的な定義から、装着型と非装着型の違い、移乗介助ロボットや見守りセンサーといった具体的な種類と特徴、そして導入メリットや注意点まで徹底的に解説します。ケアマネージャーや介護施設の管理者、ご家族の介護をされている方々にとって、最適な介護ロボットを選ぶための実践的なガイドとなる内容です。

介護ロボットの概要と分類

介護ロボットは、介護現場における人手不足や介護職員の身体的負担といった課題を解決するための重要なツールとして位置づけられています。ここでは介護ロボットの概要と、その分類方法について詳しく解説します。

介護ロボットとは何か

介護ロボットとは、ロボット技術を活用し、利用者の自立支援や介護者の負担軽減を目的とした介護機器を指します。厚生労働省の定義では、ロボットは情報を感知する「センサー系」、判断する「知能・制御系」、動作する「駆動系」という3つの要素技術を備えた知能化した機械システムとされています。これらの3つの要素を統合することで、単なる機械ではなく、自律的に判断・行動できる知能化されたシステムが実現されているのです。

介護ロボットは、従来の介護機器とは異なり、センサーで利用者の状態を感知し、その情報をもとに適切な判断を行い、必要な動作を自動的に実行できる点が大きな特徴です。例えば見守りセンサーは、利用者の起き上がりや離床を検知し、介護職員に通知することで、転倒などの事故を未然に防ぐことができます。このように介護ロボットは、介護の質を向上させながら、介護職員の業務負担を軽減する役割を担っています。

介護ロボットが注目される背景

介護ロボットが注目される最大の背景は、日本における急速な高齢化と介護人材の不足です。2025年には団塊の世代が全て75歳以上となり、介護需要はさらに増加すると予測されています。一方で、介護職員の確保は困難を極めており、現場では慢性的な人手不足が続いています。このような状況において、介護ロボットは貴重な労働力を補完し、限られた人材でも質の高い介護サービスを提供するための重要な手段として期待されているのです。

介護ロボット導入の主な目的は、介護職員の身体的負担の軽減、業務効率の向上、そして利用者の自立支援とQOL(生活の質)の向上です。移乗介助ロボットやパワーアシストスーツなどの装着型介護ロボットは、介護職員の腰痛予防や筋骨格系障害のリスク低減に貢献します。また、見守りセンサーやコミュニケーションロボットは、利用者の安全確保や精神的なケアを提供しながら、介護職員の巡回業務の負担を軽減します。

さらに介護ロボットは、介護サービスの質の標準化にも寄与します。経験の浅い職員でも、ロボットの支援により安全で適切な介護を提供できるようになるため、サービスの質を一定水準に保つことができます。このように介護ロボットは、人材不足の解消だけでなく、介護サービス全体の質向上を目指すものとして位置づけられているのです。

介護ロボットの分類基準

介護ロボットは、その機能や用途に応じて様々な分類方法があります。厚生労働省では、介護ロボットを9分野16項目に体系化しており、大きく「介護支援型」「見守り・コミュニケーション型」「介護業務支援型」という3つのカテゴリーに分類しています。この分類は、介護現場における具体的なニーズと、それに対応するロボットの機能を明確にするために設定されたものです。

介護支援型ロボットには、移乗支援、移動支援、排泄支援、入浴支援などが含まれます。これらは主に介護職員の身体的負担を軽減するためのロボットです。見守り・コミュニケーション型ロボットは、利用者の安全確保や精神的ケアを目的としており、転倒検知や徘徊防止、認知症ケアなどに活用されます。介護業務支援型ロボットは、記録作成や情報管理、ケアプラン作成など、事務作業の効率化を図るためのシステムです。

これらの分類は、介護施設や在宅介護において、どのような課題を解決したいかによって選択の指針となります。例えば腰痛に悩む介護職員が多い施設では移乗介助ロボットの導入が、夜間の見守り体制を強化したい場合は見守りセンサーの導入が適しています。分類を理解することで、自施設のニーズに最も合った介護ロボットを選択できるのです。

介護ロボットの種類別の特徴

介護ロボットには、それぞれ異なる目的と機能を持つ様々な種類があります。移乗や移動、排泄、見守り、入浴、業務支援など、介護現場の多様なニーズに対応するため、各分野に特化したロボットが開発されています。ここでは、主要な介護ロボットの種類ごとに、その特徴と具体的な機能、活用場面について詳しく解説していきます。

移乗支援ロボット

移乗支援ロボットは、介護現場で最もニーズの高い介護ロボットの一つです。利用者をベッドから車いす、車いすからトイレ、車いすから浴室など、異なる場所へ移動させる移乗介助は、介護職員の腰痛の主な原因となっています。移乗支援ロボットは、この負担を大幅に軽減し、安全で効率的な移乗を実現します。

移乗支援ロボットには、装着型と非装着型の2つのタイプがあり、それぞれ異なる特徴と使用場面があります。装着型の移乗介助ロボットは、介護職員が腰部や背部に装着するパワーアシストスーツで、移乗動作時に腰や膝にかかる負担を30パーセントから50パーセント程度軽減できます。日常的な介護業務の中で自然に使用でき、抱え上げ動作だけでなく、前かがみ姿勢の維持など様々な場面で効果を発揮します。

非装着型の移乗支援ロボットには、リフト型、スライド型、装着型などがあります。リフト型は利用者を吊り上げて移乗させるタイプで、全介助が必要な方に適しています。スライド型は利用者をシート上でスライドさせて移乗するタイプで、座位が保てる方に向いています。非装着型は一度の移乗で介護職員の負担をほぼゼロにできる一方、準備に時間がかかる場合があるため、頻繁な移乗が必要な場面では効率性を考慮する必要があります。

移乗支援ロボットの選択では、利用者の身体状況と介護度、介護職員の身体的負担の程度、そして使用頻度を総合的に判断することが重要です。装着型は日常的な使用に適しており、非装着型は重度の利用者や特定の移乗場面での使用に効果的です。多くの介護施設では、両方のタイプを併用することで、様々な状況に柔軟に対応しています。

移動支援ロボット

移動支援ロボットは、高齢者の歩行や移動を支援し、自立した生活を促進するための介護ロボットです。加齢や疾患により歩行能力が低下した方でも、移動支援ロボットを活用することで、安全に移動できるようになり、活動範囲の拡大やQOLの向上につながります。移動支援ロボットは、利用者の自立支援という観点から非常に重要な役割を果たしています。

移動支援ロボットには、屋外用と屋内用があり、それぞれ異なる機能と特徴を持ちます。屋外用の移動支援ロボットは、歩行器や電動車いすの機能を拡張したもので、坂道や段差を検知して自動でアシストする機能や、転倒を予防するバランス制御機能を備えています。GPS機能により、利用者の現在地を家族や介護職員が把握できるタイプもあり、認知症の方の徘徊対策にも活用されています。

屋内用の移動支援ロボットは、施設内や自宅内での移動を支援し、トイレや食堂への移動を安全にサポートします。センサーにより利用者の歩行パターンを学習し、個々の状態に合わせた最適なアシストを提供できるものもあります。また、歩行訓練機能を持つ移動支援ロボットは、リハビリテーションにも活用でき、歩行能力の維持・向上に貢献します。歩行データを記録・分析することで、利用者の身体機能の変化を客観的に把握できる点も大きなメリットです。

移動支援ロボットの導入では、利用者の残存機能を活かすことが重要です。過度にアシストしすぎると、かえって身体機能の低下を招く可能性があるため、利用者の状態に応じた適切なレベルの支援を提供できるロボットを選ぶことが大切です。また、操作のしやすさや安全性、メンテナンスのしやすさも選択の重要なポイントとなります。

排泄支援ロボット

排泄支援ロボットは、排泄介助の負担を軽減し、利用者の尊厳を守りながら適切なケアを提供するための介護ロボットです。排泄介助は介護の中でも特に身体的・精神的負担が大きい業務であり、介護職員の離職理由の一つにもなっています。また利用者にとっても排泄は非常にプライベートな行為であり、他者の介助を受けることに強い抵抗感を持つ方も少なくありません。

排泄支援ロボットには、主に排泄予測型、自動排泄処理型、トイレ誘導支援型の3つのタイプがあります。排泄予測型ロボットは、超音波センサーで膀胱の状態をモニタリングし、排泄のタイミングを事前に予測して介護職員に通知します。これにより、利用者の排泄リズムに合わせた適切なタイミングでのトイレ誘導が可能となり、失禁の減少やおむつ使用の軽減につながります。

自動排泄処理型ロボットは、排泄物を自動的に吸引・処理する機能を持ち、おむつ交換の頻度を大幅に削減できます。特に夜間の排泄介助の負担を軽減する効果が高く、利用者の睡眠の質の向上にも寄与します。装着型のものと、便器に組み込まれたタイプがあり、利用者の状態や生活環境に応じて選択できます。清潔さを保ちながら、介護職員の身体的負担を軽減できる点が大きなメリットです。

トイレ誘導支援型ロボットは、利用者のトイレまでの移動と、便座への着座を支援します。移動支援機能と移乗支援機能を組み合わせたもので、トイレでの排泄を維持することで利用者の自尊心を守り、ADL(日常生活動作)の維持にもつながります。排泄支援ロボットの選択では、利用者の排泄パターンや身体機能、プライバシーへの配慮、そして介護職員の業務フローを総合的に考慮することが重要です。

見守りとコミュニケーションロボット

見守りロボットとコミュニケーションロボットは、利用者の安全確保と精神的ケアを担う介護ロボットです。見守りセンサーは、転倒や離床、徘徊などの異常を検知して介護職員に通知することで、事故の予防と早期発見を実現します。コミュニケーションロボットは、利用者との会話やレクリエーションを通じて、孤独感の軽減や認知機能の維持・向上に貢献します。

見守りセンサーには、ベッド設置型、居室設置型、ウェアラブル型など様々なタイプがあります。ベッド設置型はマット型センサーやシート型センサーとして、利用者の起き上がりや離床を検知します。体動や呼吸、心拍数をモニタリングできるタイプもあり、健康状態の把握にも活用できます。居室設置型はカメラやセンサーを使用して、居室内での転倒や異常な動きを検知し、プライバシーに配慮したシルエット画像で表示するものが主流です。

ウェアラブル型の見守りセンサーは、利用者が身に着けることで、施設内のどこにいても位置情報や活動状況を把握できます。認知症の方の徘徊対策として特に有効で、施設外への外出を検知してアラートを発することもできます。加速度センサーにより転倒を検知する機能や、バイタルデータを測定する機能を持つものもあり、包括的な見守りが可能です。見守りセンサーの導入により、夜間の巡回頻度を減らしながらも安全性を高めることができ、介護職員の負担軽減と利用者の睡眠の質向上の両立が実現します。

コミュニケーションロボットは、ぬいぐるみ型やヒューマノイド型など、親しみやすいデザインのものが多く開発されています。音声認識機能により利用者の話しかけに応答し、簡単な会話を楽しむことができます。歌を歌ったり、クイズやゲームを提供したりするレクリエーション機能を持つものもあり、認知症予防や精神的ケアに効果があるとされています。また、利用者とのコミュニケーション内容を記録し、介護職員に共有することで、個別ケアの質の向上にもつながります。

見守りとコミュニケーションロボットの選択では、利用者のプライバシーへの配慮が最も重要です。常に監視されているという感覚を与えないよう、シンプルなデザインのセンサーを選ぶことや、カメラ機能を使用する場合はシルエット表示にするなどの工夫が必要です。また、コミュニケーションロボットは、利用者の好みや認知機能のレベルに合わせて選ぶことで、より効果的な活用が可能になります。

介護業務支援ロボット

介護業務支援ロボットは、記録作成や情報管理、ケアプラン作成など、介護の間接業務を効率化するためのシステムやロボットです。直接的な介護動作を支援するものではありませんが、介護職員の事務作業の負担を大幅に軽減し、利用者との関わりの時間を増やすことに貢献します。近年の介護現場では、記録や報告書作成などの事務作業が増加しており、業務効率化が重要な課題となっています。

記録作成支援システムは、音声入力機能により、介護職員が話した内容を自動的にテキスト化し、介護記録として保存します。自然言語処理技術により、話し言葉を適切な文章に整形し、必要な項目に自動分類する機能を持つものもあります。これにより、介護職員は利用者のケアをしながら記録を作成でき、後から記録を書く時間を大幅に削減できます。

ケアプラン作成支援システムは、AI技術を活用して、利用者の基本データやバイタルデータ、過去のケア記録などを分析し、個別に最適なケアプランを提案します。経験の浅い介護職員やケアマネージャーでも、エビデンスに基づいた質の高いケアプランを作成できるようになります。また、利用者の状態変化を継続的にモニタリングし、ケアプランの見直しが必要な時期を通知する機能もあり、適時適切なケアの提供に役立ちます。

その他の介護業務支援機能として、服薬管理システムや栄養管理システム、シフト管理システムなどがあります。服薬管理システムは、利用者ごとの服薬スケジュールを管理し、飲み忘れや誤薬を防止します。栄養管理システムは、利用者の摂取カロリーや栄養バランスを記録・分析し、適切な食事提供を支援します。これらのシステムを統合的に活用することで、介護業務全体の効率化と質の向上を実現できます。

介護業務支援ロボットの導入では、既存の介護記録システムや施設管理システムとの連携を考慮することが重要です。データの互換性や一元管理の可能性を確認し、情報が分散しないようなシステム構築を目指すことが、効果的な活用のポイントとなります。また、介護職員が使いやすいインターフェースであることも、継続的な利用のために欠かせない要素です。

介護ロボットの導入メリットと注意点

介護ロボットの導入は、介護現場に様々なメリットをもたらす一方で、適切な運用のためには注意すべき点もあります。導入効果を最大化するためには、メリットを正しく理解するとともに、起こりうる課題を事前に把握し、対策を講じることが重要です。ここでは、介護ロボット導入によって期待できる効果と、現場で注意すべきポイントについて詳しく解説します。

導入で期待できる職員と利用者への効果

介護ロボットの導入により、介護職員には身体的負担の軽減という直接的な効果が期待できます。移乗介助ロボットやパワーアシストスーツの使用により、腰痛や筋骨格系障害のリスクが大幅に減少します。実際に導入した施設からは、腰痛による欠勤が減少したという報告や、高齢の介護職員でも長く働き続けられるようになったという声が聞かれます。身体的負担の軽減は、介護職員の離職防止にもつながる重要な効果です。

介護業務支援システムの導入により、記録作成や情報管理などの事務作業が効率化され、介護職員が利用者と直接関わる時間を増やすことができます。ある調査では、音声入力システムの導入により、記録作成時間が従来の半分以下になったという結果も報告されています。利用者とのコミュニケーションの時間が増えることで、個別ケアの質が向上し、利用者の満足度も高まります。また、介護職員自身も本来の介護業務に集中できることで、仕事のやりがいを感じやすくなります。

利用者への効果としては、まず安全性の向上が挙げられます。見守りセンサーの導入により、転倒や急変を早期に発見できるため、重大な事故を未然に防ぐことができます。また、移乗支援ロボットの使用により、移乗時の転落や打撲のリスクも低減します。安全性の向上は、利用者本人だけでなく、家族の安心にもつながる重要な効果です。

利用者の自立支援という観点からも、介護ロボットは大きな効果を発揮します。移動支援ロボットの活用により、歩行能力が低下した方でも自分で移動できる範囲が広がり、活動性が向上します。排泄予測型ロボットの使用により、トイレでの排泄を維持できる方が増え、おむつ使用の減少につながります。自分でできることが増えることは、利用者の自尊心や生活の質の向上に直結します。

施設全体への効果としては、介護サービスの質の標準化と向上が期待できます。介護ロボットの使用により、経験の浅い職員でも一定水準以上のケアを提供できるようになり、サービスの質のばらつきが減少します。また、データに基づいたケアの提供が可能になることで、エビデンスに基づいた介護の実践が進みます。さらに、介護ロボット導入施設として評価されることで、人材確保や利用者獲得の面でも優位性を得ることができます。

現場で起きやすい課題とリスク

介護ロボット導入時に最も多く発生する課題は、操作方法の習得に時間がかかることです。特に高齢の介護職員やデジタル機器に不慣れな職員にとっては、新しいロボットの操作を覚えることが負担となる場合があります。使い方が分からないまま放置されてしまい、結局使われなくなってしまうケースも少なくありません。導入初期には十分な研修時間を確保し、全ての職員が安心して使えるようになるまでサポートすることが重要です。

介護ロボットの導入コストは、現場で起きやすい大きな課題の一つです。介護ロボットの価格は数十万円から数百万円と幅広く、複数台導入する場合は相当な初期投資が必要となります。さらに、保守メンテナンス費用や消耗品の交換費用なども継続的に発生します。介護ロボット導入補助金などの活用により初期費用を抑えることは可能ですが、ランニングコストも含めた長期的な費用対効果を検討することが必要です。

利用者側の抵抗感も課題となることがあります。特に見守りセンサーやカメラ機能を持つロボットに対しては、常に監視されているという感覚を持つ方もいます。また、機械的なケアに抵抗を感じる方や、人間的な温かさが失われることを懸念する方もいます。利用者や家族に対して、ロボット導入の目的や使用方法を丁寧に説明し、理解と同意を得ることが大切です。プライバシーへの配慮や、人間による介護とのバランスを保つことも重要です。

技術的なトラブルやシステムダウンのリスクも考慮する必要があります。ロボットが故障した場合や、ネットワークに接続できなくなった場合に、業務が滞ることがないよう、バックアップ体制を整えておくことが重要です。また、電源が必要なロボットでは、停電時の対応も事前に検討しておく必要があります。定期的なメンテナンスと点検を行い、トラブルを未然に防ぐことが安定した運用のポイントです。

介護ロボットの導入により、既存の業務フローが変わることへの抵抗も生じる場合があります。長年培ってきた介護手法を変えることに不安を感じる職員や、ロボットに頼ることで介護技術が低下するのではないかと懸念する職員もいます。ロボットは介護職員の代替ではなく、補助ツールであることを明確にし、人間による介護の重要性も同時に強調することが大切です。

導入の進め方と現場での評価指標

介護ロボットの効果的な導入のためには、計画的なステップを踏むことが重要です。まず最初に行うべきは、現場の課題の明確化です。介護職員へのアンケートやヒアリングを通じて、どのような業務に最も負担を感じているか、どのような課題を解決したいかを把握します。課題が明確になれば、それに対応する適切な種類の介護ロボットを選択することができます。

導入前には、試用期間を設けて実際の使用感や効果を確認することが推奨されます。多くのメーカーや販売事業者は、デモ機の貸し出しや試用サービスを提供しています。実際の介護現場で使用してみることで、カタログや説明だけでは分からない使い勝手や課題が見えてきます。複数の機種を比較検討し、自施設に最も適したものを選択することが、導入後の継続的な使用につながります。

導入にあたっては、介護ロボット導入補助金などの助成制度を積極的に活用することが費用負担の軽減に有効です。厚生労働省や自治体が提供する補助金制度には、介護ロボットの購入費用や研修費用を支援するものがあります。補助金の申請には一定の条件や期限がある場合が多いため、早めに情報収集し、計画的に申請することが重要です。また、リースやレンタルといった導入方法も、初期費用を抑える選択肢として検討できます。

導入後の評価と改善のサイクルを確立することが、介護ロボットの効果を最大化するために不可欠です。評価指標としては、介護職員の身体的負担の変化、業務時間の短縮、利用者の事故件数の変化、職員の満足度、利用者や家族の満足度などが考えられます。これらの指標を導入前後で測定し、効果を定量的に把握することで、ロボット活用の改善点が明確になります。

導入初期は、プロジェクトチームを編成し、導入推進の中心となるメンバーを決めることが効果的です。現場の介護職員だけでなく、管理職や看護職員、リハビリ職員など、多職種で構成されたチームが望ましいです。プロジェクトチームが中心となって、導入計画の立案、研修の実施、効果測定、課題への対応などを行うことで、組織全体での取り組みとして推進できます。

継続的な使用を促進するためには、成功事例の共有も有効です。ロボットを効果的に活用している職員の事例を紹介したり、利用者や家族からの肯定的な声を共有したりすることで、他の職員の使用意欲を高めることができます。また、定期的な振り返りの場を設け、使用上の工夫や課題を共有することで、全体としての習熟度が向上します。介護ロボットは導入して終わりではなく、継続的な評価と改善を通じて、その効果を最大限に引き出すことが重要です。

まとめ

介護ロボットは、介護現場の人手不足や介護職員の身体的負担という課題に対応するための重要なツールです。移乗介助ロボットや排泄支援ロボット、コミュニケーションロボットなど多様な種類があり、それぞれ異なる目的と機能を持っています。

介護ロボットの導入により、介護職員の腰痛や疲労の軽減、業務効率の向上、利用者の安全性向上や自立支援といった効果が期待できます。一方で、導入コストや操作習得の負担、プライバシーへの配慮といった課題もあります。これらの課題に適切に対応しながら、計画的に導入を進めることが成功の鍵となります。

介護ロボット選びでは、現場の課題を明確にし、試用を通じて使い勝手を確認することが重要です。補助金制度を活用して費用負担を軽減し、導入後は継続的に効果を測定し改善していくことで、介護ロボットの効果を最大限に引き出すことができます。介護の質を向上させながら、介護職員が長く働き続けられる環境づくりに、介護ロボットは大きく貢献する存在です。