介護施設にはどんな種類がある?特徴と比較のポイントを解説

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ご家族の介護が必要になったとき、「どんな施設があるのか」「うちの親にはどこが合うのか」と悩む方は少なくありません。介護施設には特別養護老人ホームや介護老人保健施設といった公的施設から、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの民間施設まで、さまざまな種類があります。それぞれ入居条件や費用、提供されるサービスが異なるため、ご本人の介護度や生活スタイル、ご家族の希望に合った施設を選ぶことが大切です。本記事では、介護施設の種類ごとの特徴や費用の目安、選び方のポイントをわかりやすく解説します。施設選びの参考として、ぜひ最後までお読みください。

介護施設を選ぶ際の基本的なポイント

介護施設を選ぶときには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。施設の種類によって運営主体や費用、提供されるサービスが大きく異なります。

公的施設と民間施設の違い

介護施設は大きく「公的施設」と「民間施設」の2つに分けられます。公的施設は国や自治体が関与し、介護保険法に基づいて運営されています。一方、民間施設は企業や社会福祉法人などが独自に運営しており、サービス内容や料金設定に幅があります。

公的施設には特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院などがあり、比較的低い費用で利用できる点が特徴です。ただし、入所条件が厳しく、待機者が多い傾向にあります。民間施設には有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅があり、即入居しやすい反面、費用は高めになることが多いです。

介護保険の適用有無と目的

介護施設を選ぶ際には、介護保険が適用されるかどうかを確認することが欠かせません。介護保険施設である特養や老健、介護医療院では、介護サービス費用の自己負担が原則1〜3割で済みます。これに対し、サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームでは、施設の居住費とは別に外部の介護サービスを利用する形になります。

また、施設ごとに目的が異なる点も重要です。特別養護老人ホームは終身での介護を前提としていますが、介護老人保健施設は在宅復帰を目指すリハビリが中心です。ご本人の状態や将来の見通しに合わせて、どのような目的の施設が適しているかを考えましょう。

かかる費用と施設の対応力

施設選びでは費用面と、その施設がどこまで対応できるかという「対応力」のバランスを見極めることが大切です。公的施設は月額5〜15万円程度と比較的安価ですが、入所までの待機期間が長くなることがあります。民間施設は月額20〜50万円以上かかるケースもありますが、入居までの期間が短く、設備やサービスが充実していることが多いです。

さらに、認知症への対応力や医療的ケアの可否も確認しましょう。グループホームは認知症の方に特化したケアを提供しますし、介護医療院は医療と介護の両方を必要とする方に適しています。ご本人の状態に合った対応力を持つ施設を選ぶことで、安心して生活を続けられます。

介護施設の種類ごとの特徴と費用の目安

介護施設にはさまざまな種類があり、それぞれ対象者や提供サービス、費用が異なります。ご本人の介護度や生活スタイルに合った施設を選ぶためには、各施設の特徴を正しく理解しておくことが重要です。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、要介護3以上の方を対象とした公的介護施設で、終身での介護を前提としています。入所後は食事、入浴、排泄などの日常生活全般にわたる介護サービスを24時間体制で受けられます。費用は月額5〜15万円程度と比較的安価で、介護保険が適用されるため、経済的な負担を抑えられる点が大きなメリットです。

一方で、入所希望者が多く、待機者が数万人規模にのぼる地域もあります。申し込みから実際の入所まで数年かかるケースも珍しくないため、早めに情報収集を始めることをおすすめします。入所者の平均年齢は85歳以上で、要介護4〜5の重度の方が大半を占めています。

介護老人保健施設

介護老人保健施設は、在宅復帰を目指すリハビリテーションを中心とした施設です。要介護1以上の方が対象で、理学療法士や作業療法士などの専門スタッフによるリハビリを受けられます。入所期間は原則3〜6か月程度とされており、自宅での生活に戻ることを目標としています。

費用は月額8〜15万円程度で、特養と同様に介護保険が適用されます。医師や看護師が常駐しているため、医療面でのサポートも受けられる点が特徴です。在宅復帰率は70〜80%という施設も多く、リハビリを通じて身体機能の回復を目指したい方に適しています。

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、24時間体制で介護サービスを提供する民間施設です。施設内に介護スタッフが常駐しており、食事、入浴、排泄などの介護サービスを包括的に受けられます。自立の方から要介護5の方まで幅広く入居できる施設が多く、介護度が上がっても住み続けられる点がメリットです。

費用は入居一時金が0〜数百万円、月額費用が15〜30万円程度が一般的ですが、高級施設では月額50万円以上かかることもあります。設備やサービス内容が施設ごとに大きく異なるため、複数の施設を比較検討することが大切です。

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、生活支援サービスを中心に提供する民間施設です。食事の提供や見守り、生活相談などのサービスを受けられますが、介護サービスは外部の訪問介護やデイサービスを利用する形になります。比較的自立度の高い方に適しており、必要に応じて介護サービスを追加できる柔軟性があります。

費用は入居一時金が0〜数百万円、月額費用が10〜25万円程度です。介護度が重くなった場合は退去を求められるケースもあるため、入居時に将来の対応について確認しておくことをおすすめします。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、安否確認と生活相談サービスが付いた賃貸住宅です。バリアフリー設計の住戸で、自立した生活を送りながら、必要に応じて外部の介護サービスを利用できます。自分のペースで生活したい方や、介護度が軽い方に人気があります。

費用は敷金が家賃の2〜3か月分程度、月額費用が10〜20万円程度です。介護付きタイプもありますが、一般的なサ高住では介護が必要になった際の柔軟性に課題があるという声もあります。入居前に介護が必要になった場合の対応を確認しておきましょう。

グループホーム

グループホームは、認知症の方が少人数で共同生活を送る地域密着型の施設です。1ユニット5〜9人の小規模な環境で、家庭的な雰囲気の中、料理や掃除などの役割を分担しながら生活します。認知症の進行を穏やかにする効果が期待されており、専門のスタッフによるケアを受けられます。

費用は入居一時金が0〜数十万円、月額費用が12〜18万円程度です。要支援2以上で認知症の診断を受けた方が対象となり、住民票のある市区町村の施設に入居する必要があります。

各施設の特徴と費用の目安を以下の表にまとめましたので、比較の参考にしてください。

施設種類 対象者 月額費用の目安 主な特徴
特別養護老人ホーム 要介護3以上 5〜15万円 終身介護、待機者多い
介護医療院 要介護1以上 8〜20万円 医療と介護の一体提供
介護付き有料老人ホーム 自立〜要介護5 15〜30万円 24時間介護体制
住宅型有料老人ホーム 自立〜要介護 10〜25万円 生活支援中心、外部介護利用
サービス付き高齢者向け住宅 自立〜軽度要介護 10〜20万円 安否確認、生活相談
グループホーム 認知症、要支援2以上 12〜18万円 少人数共同生活

※費用は地域や施設によって異なります。詳細は各施設にお問い合わせください。

介護施設の最適な選び方

介護施設を選ぶ際には、入居目的の明確化、費用計画、見学での確認など、複数のステップがあります。ここでは、介護施設選びで失敗しないためのポイントを解説します。

入居目的と本人の状態からの選び方

施設選びの第一歩は、入居の目的とご本人の状態を明確にすることです。「在宅復帰を目指したい」「終身で介護を受けたい」「認知症に対応してほしい」など、目的によって適した施設は異なります。要介護度や認知症の有無、医療的ケアの必要性も重要な判断基準となります。

以下のポイントを整理して、施設選びの方向性を決めましょう。

  • 現在の要介護度と今後の見通し
  • 認知症の有無と進行度合い
  • 医療的ケア(たん吸引、経管栄養など)の必要性
  • リハビリや在宅復帰への希望
  • ご本人の生活スタイルや好み

これらの情報をもとに、公的施設が適しているか、民間施設が適しているかを判断していきます。

費用の比較と資金計画の立て方

介護施設の費用は長期にわたるため、無理のない資金計画を立てることが欠かせません。入居一時金、月額費用、介護保険の自己負担分など、必要な費用を洗い出し、年金収入や貯蓄とのバランスを確認しましょう。公的施設は費用を抑えられますが、待機期間を考慮する必要があります。

費用負担を軽減するための公的支援制度も活用しましょう。高額介護サービス費制度や特定入所者介護サービス費(補足給付)など、所得に応じた軽減措置があります。ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談すると、利用できる制度を教えてもらえます。

見学で確認すべきポイントと質問リスト

施設見学は、パンフレットやホームページではわからない実際の雰囲気を確認できる重要な機会です。複数の施設を見学し、比較検討することをおすすめします。見学時には以下のポイントをチェックしましょう。

  • 施設内の清潔さや臭いの有無
  • スタッフの対応や入居者との関わり方
  • 食事の内容や食堂の雰囲気
  • 居室の広さや設備
  • レクリエーションや行事の内容
  • 夜間の介護体制

見学時には「医療的ケアにどこまで対応できるか」「退去が必要になる条件は何か」「看取り対応は可能か」など、具体的な質問をすることで、入居後のミスマッチを防げます。

相談窓口と専門家の活用方法

施設選びに迷ったときは、専門家や相談窓口を積極的に活用しましょう。ケアマネージャーは介護サービス全般に精通しており、ご本人の状態に合った施設を提案してくれます。地域包括支援センターは高齢者の総合相談窓口として、介護や医療、生活全般の相談に対応しています。

病院のソーシャルワーカーは、入院中の方の退院先相談に対応しており、医療的ケアが必要な場合の施設選びに詳しいです。民間の介護施設紹介サービスも無料で利用でき、複数の施設を比較検討する際に役立ちます。一人で抱え込まず、専門家の力を借りることで、より良い選択ができます。

まとめ

介護施設には特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの公的施設から、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの民間施設まで、さまざまな種類があります。それぞれ対象者や費用、提供サービスが異なるため、ご本人の介護度や生活スタイル、ご家族の希望に合わせて選ぶことが大切です。

施設選びでは、入居目的を明確にし、費用計画を立て、複数の施設を見学して比較検討しましょう。ケアマネージャーや地域包括支援センターなど、専門家の力を借りることで、より適切な選択ができます。

本記事で紹介した情報を参考に、ご本人とご家族が安心して暮らせる施設を見つけてください。わからないことがあれば、まずは専門家に相談することから始めてみましょう。