【エコレポート】CO2の再利用へ向けた技術はすさまじい進化です
先日、幕張メッセで開催された再生可能エネルギーや新エネルギーの総合技術展『SMART ENERGY WEEK 2024』に参加してきました。
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて最先端の技術が出展される総合技術展です。年に3回開催されています。
CO2を減らす運動もありますが、出てきたCO2を再活用する(有価物に変えて資源として活用する)そんなことに挑戦する企業が増えています。エネルギー循環型社会を目指して本当にたくさんの企業が競うように開発を発表されていました。
そこで「CCS」と「CCUS」というキーワードを初めて知りました。
CCUSとは、「Carbon Capture, Utilization, and Storage」の略語で、二酸化炭素(CO2)の排出を削減するための技術のことです。
- キャプチャ(Capture)
大気中に放出される前に、CO2を発電所や工場などの排気ガスから回収する。 - 利用(Utilization)
捕集したCO2を、化学品や燃料、建材など、さまざまな製品に再利用する。 - 貯留(Storage)
捕集したCO2を地中深い空間に安全に保管し、大気中に放出しないようにする。
CCSは「二酸化炭素回収・貯留」技術と呼ばれ、発電所や化学工場などから排出されたCO2を、ほかの気体から分離して集め、地中深くに貯留・圧入するというものです。
さらにCCUSは分離・貯留したCO2を再利用しようというものです。たとえば米国では、CO2を古い油田に注入することで、油田に残った原油を圧力で押し出しつつ、CO2を地中に貯留するというCCUSがおこなわれており、全体ではCO2削減が実現できるほか、石油の増産にもつながるとして、ビジネスになっています。
CCS、CCUSは、温化ガスの排出削減を目指し、持続可能なエネルギー社会の実現に貢献する技術として注目されています。
写真は静岡県の三日日のみかん畑です。
数年前にみかん狩りに行ってたっくさんのみかん採ってきました。
愛知県蒲郡市もみかんの産地で有名ですが、「サーキュラーシティ蒲郡」を掲げ、CCUSに取り組んでいます。今環境プロジェクトである「地域CCUプロジェクト」っていうものが行われていて、市内の工場で製品製造過程において排出されたCO2を回収・運搬し、みかんハウス栽培に再活用する実証実験を行っているようです。
みかん栽培の光合成でCO2と水からグルコース(糖)を合成するため、品質や収量を上げるためには十分なCO2が必要となるためです。
また、太陽光発電に関する技術も進化しています。太陽光発電で生まれた電気を回収し、水素も電気も作れる技術を発表している企業もあり、アイデアとその技術の進化を感じました。弊社も数拠点で太陽光発電装置を設置していますが、売電以外に何か利用方法はないか模索中です。
全人類がCO2削減に取り組まないといけないですが、人の意識や行動だけでは限度があるため、CO2の資源としてのRe活用への技術・イノベーションが今後ますます注目・期待されてくると思います。
科学が進歩してCO2が我々の身近でいろんなものに変化する時代はもうそこです。