2026年4月から増額 申請しないとゼロ円になる「見落としやすい追加給付」をやさしく解説
年金だけで暮らすことに、少し不安を感じる瞬間はありませんか。食料品も光熱費も上がり続ける今、年金の受給額だけで「なんとかなる」と言い切るのは難しくなりました。
そんな中、あまり知られていないけれど、条件を満たせば年金に上乗せして受け取れる制度があります。それが「年金生活者支援給付金」です。
そして2026年4月から、この給付金が増額されることが公的に示されています。けれど、ここで最大の落とし穴があります。
この給付金は、原則として請求しないと受け取れません。つまり、制度を知らずに放置すると、受け取れるはずのお金がそのまま消えてしまう可能性があるのです。
この記事では、年金生活者支援給付金の基本、2026年4月からの変更点、対象者、受け取れる金額、申請の流れ、そして見落としがちな注意点まで、まとめて分かりやすく解説します。
年金生活者支援給付金とは
年金生活者支援給付金は、一定の要件を満たす年金受給者に対し、年金に上乗せして支給される給付金です。制度は2019年10月に始まり、比較的新しいため「存在自体を知らなかった」という方も少なくありません。
対象となる年金の種類により、給付金も3種類に分かれます。
老齢年金生活者支援給付金(老齢基礎年金を受給している方向け)
障害年金生活者支援給付金(障害基礎年金を受給している方向け)
遺族年金生活者支援給付金(遺族基礎年金を受給している方向け)
2026年4月から何が変わる? 増額のポイント
2026年度(2026年4月分)から、給付金の基準額が増えることが示されています。老齢タイプの基準額は次の通りです。
2025年度:月額5,450円
2026年度:月額5,620円(170円増)
月170円と聞くと小さく感じるかもしれませんが、年額にすると6万740円。
夫婦それぞれが対象なら、月1万1,240円、年12万円超になります。積み重なると家計の安心感は確実に変わってきます。
なお、年金と同じく、改定は4月分からでも実際の振込は原則6月に反映される点は覚えておきたいポイントです。
老齢の給付金 対象者の基本条件
最も対象者が多いのが、老齢年金生活者支援給付金です。基本的な要件は次の3つです。
1 65歳以上で、老齢基礎年金を受給している
2 世帯全員が住民税非課税
3 前年の所得が基準以下
ここでよく起きるのが、「年金収入があるから所得基準を超えているはず」と思い込んでしまうケースです。
実際は、遺族年金や障害年金などは非課税で、所得判定に含まれないことがあります。つまり、本人が「絶対ムリ」と思っていても、条件を満たしている可能性があるということです。
いくらもらえる? 給付額の目安
給付額は、保険料納付済期間や免除期間などで変わる場合がありますが、基準額ベースの目安は次の通りです。
◎老齢年金生活者支援給付金
月額5,620円(2026年度基準)
年額67,440円
◎障害年金生活者支援給付金
1級:月額7,025円 (年額 84.300円)
2級:月額5,620円 (年額 67,440円)
◎遺族年金生活者支援給付金
基本は月額5,620円
子が2人以上で受給する場合は人数で按分
金額だけを見ると「思ったより少ない」と感じる方もいるでしょう。
それでも、非課税で、条件を満たす限り継続して受け取れる点は大きな魅力です。生活費の一部を底上げしてくれる、長期的な支えになります。
申請しないと受け取れない 手続きの流れ
ここが最重要です。年金生活者支援給付金は、原則として請求が必要です。
◎すでに年金を受給している方
- 日本年金機構から緑色の封筒などで請求書が届くことがある
- 必要事項を記入して返送
- 1〜2か月後に結果通知、その後年金に上乗せして支給
◎これから年金を受給する方
- 65歳前に届く年金請求書類一式の中に、給付金の請求書が同封されることがある
- 書類が多いので見落とし注意
- 記入して返送
一度請求が通れば、毎年の申請が必要な制度ではありません。条件が変わらない限り、継続して支給される仕組みです。
見落とすと取り返しがつかない 期限の考え方
請求のタイミングによっては、さかのぼって支給される可能性があります。
期限の取り扱いは個別の案内書類で必ず確認してください。
期限を過ぎると、請求した月の翌月分からしか支給されず、受け取れたはずの過去分が原則として支給されないことがあります。
つまり、後回しが一番損につながりやすい制度です。
要注意 給付金を狙った詐欺
給付金の話題が増えると、必ず詐欺も増えます。特に注意したいのは次の手口です。
- 手数料が必要と言ってATM操作を促す
- 口座情報の不具合を理由に個人情報を聞き出す
- スマホ操作を誘導して送金させる
- 自宅訪問して書類提出を迫る
公的機関が電話で手数料や口座情報、マイナンバーを要求するのは不自然です。
少しでも怪しいと感じたら、その場で判断せず、いったん電話を切って家族や年金事務所、警察相談窓口に相談しましょう。
まとめ 家族のためにも「一度だけ確認」がおすすめ
年金生活者支援給付金は、知っている人が静かに受け取っている制度です。
そして2026年4月から基準額が増える。物価高の時代に、月数千円でも確実に効いてくる支えになります。
ここで大切なのは、たった一つです。
自分や家族が対象かもしれないなら、請求状況を確認すること。
郵便物の中に、緑色の封筒や請求書が眠っていないか。
世帯が住民税非課税か。
遺族年金や障害年金があり「所得計算の誤解」をしていないか。
一度確認するだけで、将来の安心が少し増えます。
もし「うちは該当するのかな」と迷う場合は、年金事務所へ相談するのが一番確実です。