【介護士必見!】転倒・低血糖・ふらつき…薬で起きる“危ないサイン”早見表
〜介護士が知っておきたい異変の見抜き方〜
介護の現場で「なんだか今日は様子が違うな…」と感じる瞬間はありませんか?
実はその変化、薬の副作用や飲み合わせが原因となっているケースが少なくありません。
高齢者は薬の影響を受けやすい年代です。
体の水分量が少なく、肝臓や腎臓の働きも弱くなり、薬が効きすぎたり副作用が出やすくなります。
そこで今回は、介護士が知っておくと現場で“すぐ役立つ”危険サインの早見表をまとめました。
利用者の異変をいち早くキャッチし、安全なケアにつなげるためにぜひご活用ください。
1. 転倒リスクが高まる薬とそのサイン
● 睡眠薬・抗不安薬・抗精神病薬
これらの薬は眠気・ふらつき・注意力低下を引き起こしやすく、転倒事故につながりやすい薬です。
要注意のサイン
- 歩行がいつもより不安定
- 反応が遅い
- ぼーっとしている
- トイレでのふらつきが増えた
特に夜間は転倒リスクが高まるため、見守り強化や動線の安全確保が重要です。
2. 低血糖を引き起こす薬と注意ポイント
糖尿病の薬(インスリン、SU薬など)は低血糖の危険性があります。
低血糖は重度の場合、意識障害やけいれんにつながる可能性もあるため、早期の気づきが命を守ります。
低血糖が疑われるサイン
- 急に冷や汗をかく
- 手が震える
- 顔色が悪い
- ぼんやりする・眠気が強い
- イライラ・興奮状態
低血糖が疑われる場合は、すぐに看護師へ連絡し、ブドウ糖や甘い飲み物での対応が必要です。
3. 血圧の薬で起こりやすいふらつき・立ちくらみ
降圧薬は、血圧を下げすぎると立ちくらみ・めまいを引き起こすことがあります。
特に入浴後・起床時などは血圧が下がりやすく、事故につながりやすい時間帯です。
注意すべきサイン
- 立ち上がった瞬間にふらつく
- 顔色が悪く、ぐったりしている
- 食欲がない
- 「頭がクラクラする」と訴える
普段と違う“疲れやすさ”も重要なヒントです。
4. 便秘薬・下剤の使いすぎで起こるトラブル
便秘薬は高齢者によく使われる薬ですが、効きすぎると脱水・腹痛・下痢につながります。
危険サイン
- トイレの回数が急に増えた
- 便が水状になっている
- お腹が痛いと訴える
- 顔がこわばっている
- 口の乾き・脱水の兆候
便秘は看護師も気を配る重要なポイントなので、便の状態を日々観察・記録することが大切です。
5. 血液をサラサラにする薬+転倒=大ケガの危険性
ワーファリンやDOACなどの抗凝固薬を飲んでいる利用者は、転倒時の内出血が重症化しやすい特徴があります。
特に注意したいサイン
- 皮膚に大きなあざが増えた
- 尿や便に血が混じる
- 頭をぶつけた
- いつもよりぐったりしている
“軽い転倒”と思っても見逃してはいけません。頭部打撲は即報告が鉄則です。
6. 薬の副作用チェックに使える“5つの基本視点”
薬を知っていなくても、介護士が持つ観察力だけで危険を察知できます。以下の5つを毎日のケアで意識してみてください。
- 歩き方の変化(ふらつき・小刻み歩行)
- 意識レベル(ボーっとしている、反応が遅い)
- 食事量・水分量の変化
- 排泄の変化(便秘・下痢・尿量の変化)
- 皮膚の変化(あざ・乾燥・赤み)
小さな変化が、副作用や体調悪化のサインであることは多いもの。「なんとなくいつもと違う」の直感は、とても重要です。
まとめ:危険サインを知っていれば介護士はもっと利用者を守れる
高齢者の薬はメリットが大きい一方で、体調の小さな変化に影響しやすい特徴があります。
介護士が副作用の“危ないサイン”を知っておくことで、
- 転倒事故の予防
- 体調悪化の早期発見
- 命に関わる重症化防止
につながります。
薬の知識は“専門性”ではなく、利用者を守るための武器です。
今日から現場で活かして、さらに安心・安全なケアを目指しましょう。
