【初めての方必見!】後悔しない福祉用具の選び方

福祉用具を選ぶ際、何を基準にしていますか?
安全性、使いやすさ、価格、デザイン…様々な要素が絡み合い、最適な選択は難しいものです。
どんなものを使うかは、その人の「身体の状況(介護のレベル)」と「使用目的」で変わってきます。
福祉用具を使用することによって活動の幅が広がり、安全性も高まり、自立度も高まる半面、場合によっては自立を妨げてしまう用具もあるため、福祉用具を使うことで自由度・自立度の向上につながるかを見極めることが大切です。そのため、選定にはケアマネージャー、理学療法士、福祉用具専門相談員などのプロ視点が必要です。
この記事では、特に初めて福祉用具を選ぶときに知っておくべき基本のポイントをご紹介します。
福祉用具選びのポイント
安全性の確認:SGマークとは?
福祉用具を選ぶ上で、まず重要なのは安全性です。SGマークなどの安全基準を満たしているかを確認しましょう。SGマークは、製品安全協会が安全性を保証するマークであり、消費者が安心して製品を使用できるための指標となります。福祉用具は、高齢者や身体の不自由な方が日常生活を送る上で欠かせないものであり、安全性の確保は最優先事項です。
SGマークの有無だけでなく、製品の材質や構造、使用方法なども十分に確認し、安全に使用できるものを選びましょう。
使いやすさ:利用者の身体状況に合わせた選択
福祉用具を選ぶ際には、利用者の身体的な能力や日常生活での活動範囲を考慮し、最適なものを選ぶ必要があります。部屋の広さ、段差の有無、トイレや浴室の位置などの生活環境も考慮する必要があります。
例えば、歩行が困難な方には、歩行器や車椅子などが考えられますが、それぞれに特徴があり、利用者の状態や環境に合わせて選ぶ必要があります。実際に試用してみるのがおすすめです。
お試し期間がある事業所を選び、実際に使用してみることで、使いやすさや安全性を確認できます。
使用目的:介護レベルに合わせた選定
「トイレまで行くのが危なっかしいからポータブルトイレを使う」のではなく、
もし自分でトイレに行ける能力があるのならば、
「ポータブルトイレを使わずにできるだけトイレで排せつするためには、どうしたらいいか」という視点で必要な福祉用具を選びます。
このように、福祉用具は単なる補助具ではなく、その人が何を目的(ゴール)としてその福祉用具を使用するのかを考えて選ばなければいけません。
福祉用具は、何をサポートするために使うのかを明確にすると選びやすくなります。例えば:
- 歩行を助けたい
- トイレや入浴を安全にしたい
- ベッドや車椅子への移動を楽にしたい
例:転倒が増えてきた場合、歩行器や手すりの設置を検討することで安心感が得られます。
ポイントとしては、
自分でできることを減らさないこと。
今できていることを、維持し続けること。
価格と費用対効果:介護保険の賢い利用
福祉用具の価格は様々です。介護保険を利用することで、自己負担額を抑えることができます。支給要件や申請の手順を事前に確認しましょう。
介護保険を利用するためには、要介護認定を受ける必要があり、認定結果に応じて利用できるサービスや給付額が異なります。福祉用具の購入やレンタルには、介護保険が適用されるものとされないものがありますので、事前に確認が必要です。また、介護保険を利用する際には、申請手続きが必要であり、必要な書類や手続きの流れを理解しておくことが大切です。介護保険を賢く利用することで、経済的な負担を軽減しながら、必要な福祉用具を利用することができます。
福祉用具の種類と選び方
歩行補助具:杖、歩行器、歩行車の違い
歩行補助具には、杖、歩行器、歩行車などがあります。それぞれの特徴を理解し、利用者の身体状況に最適なものを選びましょう。
杖は、片麻痺の方や軽度の歩行困難がある方に適しています。
歩行器は、より安定した歩行をサポートするために使用され、高齢者やリハビリ中の方に適しています。
歩行車は、歩行器に座席が付いたもので、長距離の移動や休憩が必要な方に適しています。それぞれの歩行補助具には、高さ調節機能や滑り止め機能など、様々な機能が備わっていますので、利用者のニーズに合わせて選びましょう。また、専門家のアドバイスを受けることで、より適切な歩行補助具を選ぶことができます。
入浴補助用具:安全な入浴をサポート
入浴は転倒のリスクが高い場所です。入浴補助用具を活用することで、安全に入浴をサポートできます。入浴補助用具には、浴槽手すり、シャワーチェア、入浴用リフトなどがあります。
浴槽手すりは、浴槽への出入りをサポートし、転倒を予防します。
シャワーチェアは、座ったままシャワーを浴びることができ、立ち座りの負担を軽減します。
入浴用リフトは、自力で浴槽に入ることが困難な方をサポートします。
これらの入浴補助用具は、利用者の身体状況に合わせて選び、適切に使用することで、安全で快適な入浴をサポートすることができます。
ベッド関連:特殊寝台、床ずれ防止用具
ベッド関連の福祉用具は、快適な睡眠と床ずれ予防に役立ちます。特殊寝台や床ずれ防止用具など、様々な種類があります。
特殊寝台は、背上げ機能や高さ調節機能などが備わっており、寝起きや介助を容易にします。
床ずれ防止用具は、体圧分散効果があり、長時間寝たきりの方の床ずれを予防します。
これらのベッド関連の福祉用具は、利用者の状態に合わせて選び、適切に使用することで、快適な睡眠と床ずれ予防をサポートすることができます。
靴
靴も福祉用具です。歩く場合に大変重要になる「靴」にも、安全性と自立度の視点が欠かせません。クッション性がある靴や、左右のサイズや高さを調整できる靴などがあります。
足腰への負担や転倒のリスクを考えて、いろいろなタイプのものがつくられていますから、身体の状態にあった靴を選べば、歩きやすさや安心感が得られ、結果的に移動の自由度が向上すると思います。
靴も進化していますので、靴一つ変わるだけで、「歩く」という行為への補助力が、その人の日常の世界を変える力を秘めています。
福祉用具のレンタルと購入:どちらを選ぶべき?
レンタルのメリット・デメリット
福祉用具のレンタルは、初期費用を抑えられ、必要な期間だけ利用できるというメリットがあります。レンタルの場合、高額な福祉用具を購入する必要がないため、経済的な負担を軽減できます。また、必要な期間だけ利用できるため、不要になった場合に処分する手間も省けます。しかし、長期間利用する場合は購入の方がお得な場合もあります。
レンタルの場合、月々のレンタル料金が発生するため、長期間利用すると購入費用を上回ることがあります。そのため、利用期間や費用を比較検討し、最適な方法を選ぶことが重要です。
購入のメリット・デメリット
福祉用具の購入は、自分に合ったものをじっくり選べるというメリットがあります。購入の場合、自分の身体状況や生活環境に合わせて、
最適な福祉用具を選ぶことができます。また、長期的に使用することを考えると、レンタルの場合よりも経済的な負担が少なくなることがあります。しかし、初期費用が高くなるというデメリットもあります。
購入の場合、高額な福祉用具を購入する必要があるため、経済的な負担が大きくなることがあります。
そのため、予算や利用期間を考慮し、慎重に検討する必要があります。
介護保険を利用した購入の条件
介護保険を利用して福祉用具を購入するには、いくつかの条件があります。
介護保険を利用するためには、要介護認定を受ける必要があり、認定結果に応じて利用できるサービスや給付額が異なります。支給要件や申請の手順を事前に確認しましょう。介護保険が適用される福祉用具の種類や購入費用の上限額なども定められていますので、事前に確認が必要です。また、介護保険を利用する際には、申請手続きが必要であり、必要な書類や手続きの流れを理解しておくことが大切です。
介護保険を賢く利用することで、経済的な負担を軽減しながら、必要な福祉用具を購入することができます。
事業所の選び方とアフターフォロー
事業所選びのポイント:お試し期間の有無
福祉用具を選ぶ際は、借りる前にお試し期間がある事業所を選びましょう。
実際に試用することで、自分に合ったものを見つけやすくなります。お試し期間がある事業所では、実際に福祉用具を使用してみることで、使いやすさや安全性を確認することができます。また、専門家のアドバイスを受けながら、自分に最適な福祉用具を選ぶことができます。お試し期間がない事業所では、実際に使用してみることができないため、自分に合ったものを見つけるのが難しい場合があります。
説明の丁寧さ:専門家のアドバイス
福祉用具についてきちんと説明してくれる事業所を選びましょう。
専門家のアドバイスを受けることで、より適切な選択ができます。福祉用具は、専門的な知識が必要なものが多いため、きちんと説明してくれる事業所を選ぶことが重要です。専門家のアドバイスを受けることで、自分の身体状況や生活環境に合わせた最適な福祉用具を選ぶことができます。また、福祉用具の使用方法や注意点なども詳しく教えてもらうことで、安全に利用することができます。
アフターフォローの重要性
福祉用具は、購入後も定期的なメンテナンスが必要です。アフターフォローがしっかりしている事業所を選びましょう。福祉用具は、長期間使用することを前提としているため、定期的なメンテナンスが必要です。アフターフォローがしっかりしている事業所では、定期的なメンテナンスや修理などを行ってくれるため、安心して使用することができます。また、福祉用具の使用方法や注意点なども教えてもらうことで、より長く安全に使用することができます。
おまけ:福祉用具の進化
テクノロジーの進化により、福祉用具も進化していきます。特に、ユーザーと福祉支援機器をつなぐインターフェイスが大きく進化しています。
画像処理やセンサーを用いた多くの支援機器用インターフェースが開発されており、電動車椅子の操作やコミュニケーション支援機器の利用が可能になりました。具体的な例として、視点を利用した実験的な研究が行われており、これによりユーザーの意図をより正確に機器に伝えることが可能になっています。目の動きだけで車いすを動かしたり、コミュニケーションが可能になったりと、そして余談ですが、例えばSmartNavという商品、顔などに反射シールを貼ることで、とても繊細にマウスカーソルの動きを制御できるようになります。設定次第ではクリックも自動で行うことができ、完全ハンズフリーでパソコン操作を行うことが出来るようになる補助デバイスのようです。
福祉用具の進化は、技術の進歩とともに、ユーザーの生活の質を向上させるための新しい可能性を開いています。特に、インターフェース技術の進化は、より多くの人々の自立した生活のための支援を提供しています。
まとめ:
この記事では、福祉用具を選ぶ際の重要なポイントや、福祉用具の種類と選び方、レンタルと購入のメリット・デメリット、事業所の選び方とアフターフォロー、そしておまけで福祉用具の進化について解説しました。
福祉用具選びは、利用者の生活を支える大切な選択です。適切な福祉用具の選択は、自立支援にもつながりますし、利用者のQOL(生活の質)を大きく左右します。初めてのときは戸惑うこともあるかもしれませんが、専門家の助けを借りながら進めば、失敗を防ぐことができます。この記事で紹介したポイントを参考に、利用者にとって最適な福祉用具を見つけてください。