認知症とは・認知症予防

2024.10.20

【腸活のススメ】ビフィズス菌で認知症予防!?

img

森永乳業が発見した「ビフィズス菌MCC1274」が認知症に効果を持つ可能性があることがわかってきています。最近の研究や報告により注目され各メディアでも注目の的です。
ビフィズス菌MCC1274は、腸内フローラ(腸内細菌のバランス)を改善するプロバイオティクスの一種で、特に脳との関連で研究されています。ここでは、その効果について説明したいと思います。

1. 腸と脳の関係(腸脳相関)

なんで認知症にビフィズス菌なの?って思われる方も多いと思いますが、実は腸と脳は密接に関連しており、これを「腸脳相関」と呼びます。腸内の健康状態が脳に影響を与えることが分かっており、腸内フローラのバランスが崩れると、炎症や神経機能の低下が起こる可能性があるとされています。ビフィズス菌MCC1274は、腸内環境を整えることで、認知機能の維持に寄与する可能性があると考えられています。

腸が若返れば、脳が若返る!

2. 認知機能の改善効果の研究

一部の動物実験やヒトを対象とした研究では、ビフィズス菌MCC1274を摂取することで、認知機能が改善されるという結果が報告されています。特に認知機能の一部である記憶力・空間認識力を維持する作用があることを発見。
マウスにこの菌を与えたところ、記憶力や学習能力の改善が見られたという研究があります。また、炎症を抑える効果が確認されており、これは認知症の進行に関わる脳内炎症の抑制に寄与する可能性があります。

3. アルツハイマー病との関連性

アルツハイマー病は、認知症の代表的なタイプで、原因の一つは、脳内に「アミロイドβ」というたんぱく質が蓄積することだと考えられています。ビフィズス菌MCC1274がこの病気に対する予防効果を持つかどうかについても研究が進められています。特に、腸内の免疫機能や抗酸化作用が強化されることで、脳内の「βアミロイド」の蓄積を抑制する可能性が示唆されています。これを抑えることで病気の進行を遅らせることが期待されています。

4. 炎症の抑制とストレス軽減

ビフィズス菌MCC1274には、腸内の炎症を抑える効果や、ストレス反応を軽減する作用が報告されています。ストレスや慢性炎症は、認知症のリスク要因とされており、これらを軽減することで認知機能の維持に繋がる可能性があります。

5. 人への臨床試験の重要性

ただし、現時点では動物実験や一部の初期的なヒト研究が主であり、ビフィズス菌MCC1274の認知症に対する効果が完全に証明されているわけではありません。今後、より多くの臨床試験が行われ、長期的な効果や安全性が検証されることが期待されます。

ビフィズス菌は長年に渡る食の実績によって安全性が担保されている上に、食品でありながら薬と同じ基準でヒトの臨床試験で二重盲検試験を行っている森永乳業のデータは信頼は高い。

二重盲検試験(にじゅうもうけんしけん)とは、治療や薬の効果を正確に評価するための試験方法の一つで、この方法では、参加者も治療を提供する側も、どの参加者が実際に薬(または治療)を受けているのか、どの参加者がプラセボ(偽薬)を受けているのかが分からないように設定されています。これにより、心理的な影響やバイアス(偏り)を排除し、より客観的で信頼性の高い結果を得ることができます。薬効や機能性食品の評価に用いられています。

6. 腸活のススメ

腸には100兆個以上の腸内細菌が存在し、これらは「腸内フローラ」と呼ばれています。善玉菌、悪玉菌、中間菌のバランスが取れていることが、私たちの健康にとって非常に重要です。腸内フローラが乱れると、便秘や肌荒れ、さらには免疫力の低下やアレルギー反応を引き起こすことも。腸活を通じて、腸内フローラのバランスを整えれば、全身の健康状態が改善されるので腸活は特別なことをする必要はありません。毎日の生活の中で、簡単に取り入れられる習慣から始めてみましょう。

=====  腸活 毎日を元気に過ごすためのシンプルな方法  =====

  • 食物繊維を積極的に摂る
    野菜や果物、全粒穀物に含まれる食物繊維は、腸内の善玉菌を増やす役割があります。特に、キャベツやブロッコリー、アボカド、リンゴ、玄米などは食物繊維が豊富です。腸内をきれいに掃除し、消化をスムーズにする働きがあります。
  • 発酵食品を摂取する
    ヨーグルト、味噌、納豆、キムチなどの発酵食品は、善玉菌を直接腸に届けることができる「プロバイオティクス」を含んでいます。毎日の食事に少しずつ取り入れることで、腸内の環境が整いやすくなります。
  • 水分をしっかり摂る
    水分が不足すると、便が硬くなり便秘になりがちです。1日1.5~2リットルの水を飲むことで、腸内の働きを助け、消化を促進します。特に朝起きたらコップ一杯の水を飲むことで、腸を目覚めさせる効果が期待できます。
  • 毎日の食事に少しずつ取り入れる
    発酵食品や食物繊維を含む食品を毎日の食事に少しずつ取り入れることで、無理なく腸活を継続できます。例えば、朝食にヨーグルトをプラスする、サラダにブロッコリーや豆類を入れるなど、小さな工夫から始めましょう。
  • 定期的な運動を取り入れる
    軽い運動は腸の動きを促進し、腸内環境を整える助けになります。毎日の散歩やストレッチを続けることで、腸の働きが活発になりやすくなります。
  • ストレスをためない生活
    ストレスは腸内環境を悪化させる大きな要因です。自分なりのリラックス法を見つけ、心と体を整えることも、腸活の一環として大切です。
  • 質の良い睡眠が腸内環境をサポート
    質の良い睡眠を取ることで腸の働きが整い、消化機能や代謝が向上します。睡眠中に腸がしっかりと休まることで、腸内フローラがリセットされ、健康な腸内環境を保ちやすくなります。特に睡眠中に体がリラックスし、副交感神経が優位になると、腸の働きが促進されるため、便通の改善にも繋がります。

ビフィズス菌MCC1274に関する研究は進んでおり、森永乳業が 「ビフィズス菌が腸に効いて脳に効く」「腸から始める記憶対策、試してみませんか?」と言うキャッチフレーズで商品化されています。
腸と脳の健康が密接に関連しているという「腸脳相関」の視点から見ても、腸内フローラのバランスを整えることが、将来的な認知症予防に役立つ可能性は十分にあります。