【介護現場でのDX part1】kintoneで業務ラクラク推進
DX化推進が叫ばれて間もないですが、介護分野はやはり遅れます。
DX化が必要なわけと、未来どんなことができていくか、見ていきたいと思います。
DX化のススメ
🔳介護分野でDX化を進める背景・目的
1.労働人口不足が深刻な課題
介護業界は特にです。そのためデジタル技術を活用して業務プロセスの自動化や効率化を図り、限られた労働力を最大限に活用する必要に迫られています。
・働く人間の代わりになる存在
・労働に費やしている時間を削減する
を目的としてDX化は図られていきます。
2,労働力の多様化&働き方改革
アフターコロナ、働き方を大きく変えました。リモートワークの普及、自動化の推進、人間と人間が物理的に近くにいなくても、所定の場所にいなくても、仕事ができる環境が与えらています。
さらに働き方改革制度のスタートによりこれまでの働き方が「悪」であるとすら言われている中で、実体のある働き方改革や職場の労働環境の改善は強制的に変革が求められています。
DX化なしでこれらは成し遂げられません。
3.AIの大波(技術の進化)
企業競争力を高めるために、AIの力に頼る時代となりましたが、技術革新のスピードは目まぐるしく、いったんデジタル化したり、AIに飲み込まれたら元には戻れません。
AIの技術革新により、
・新しい労働力の創出
・人間よりも精度の高いサービスへ
期待が持てます。
4,グローバル競争力の強化
介護とは程遠いですが、グローバル化が進むにつれ、人材の流出もあります。
全体的なIT・デジタル技術力のレベルが上がっていく中で、相対的に影響を受けると思われます。
5,顧客体験価値の向上&即時対応
ネット上で何かを購入したり、サービスを受けたりする場合は直に変革が訪れます。
顧客側としてはほしいものや必要とするものが即見つかり、手に入るまでのスピードが増しますので、便利さ手軽さはより一層強化されていきます。また、将来はARやVRを使って、サービスを受けた後の体験がリアルに手に入り、購入者の意思決定プロセスが大幅に削減されていきます。
例えば、ARを使えば、スマホやタブレットで、商品を自宅の部屋に配置したり、試着したりすることが可能となります。
一方、VRでは、仮想空間の中で商品を体験したり、観光地や不動産を疑似的に訪れたりすることができます。店舗やショールームに行かなくて、リアルに近い感覚で商品やサービスに触れることができ、より没入感のある体験が可能になります。
これらの技術により、顧客との新しい接点を選択し、従来の方法ではできなかった付加価値の高い体験を可能にし、顧客満足度やエンゲージメント向上につながっていきます。
では介護で言えば、例えば「終の棲家」となる施設探しをするときに、そこにいなくても住んでいるような体験ができたり、不明なことを即解決することができたり、一生を左右するような買い物が楽になっていくでしょう。
介護分野のDX化は何から始めるのが正解か?
- その業務専門で人手がいるもの
- 利用者に直接かかわるもの以外の業務で時間を費やしてしまうもの 記録、データ入力など
- 見えにくい部分で管理が必要なもの
- アウトソーシング(業務委託)しているもの
- 顧客満足度を上げるものや顧客体験価値を向上させるもの
- 安全の管理
効率化、自動化、顧客満足度向上、コミュニケーション改善、のあたりでできるところから始めましょう。
ドラえもんのポケットがあったら…っていうような発想ができればいいけど、なかなか難しいので、そういう場合は、ある作業の一連の流れを工程表にまとめてみて、例えば工程が10あったら、8削減して、2に減らせないか。この部分だけ無人で対応できないか、と考えてみると発見につながります。
あとはDX化によって成功している他業種の事例を参考にしてみるのをお勧めします。
DX化で成功している事例紹介
DX化の実例として、様々な業界で成功している事例がありますので参考にしてみて想像力を広げるのもいいかもしれません。
1. 製造業: スマートファクトリー
製造業では、IoTやAIを活用したスマートファクトリーが注目されています。例えば、ドイツの自動車メーカーBMWは、工場内での生産ラインを自動化し、IoTセンサーによって機械の稼働状況をリアルタイムで監視しています。これにより、機械の異常を早期に検知し、ダウンタイムを最小限に抑えることができ、効率的な生産体制を実現しています。
2. 小売業: ECプラットフォームとパーソナライズ
アマゾンや楽天などのECプラットフォームは、DXの成功例です。これらの企業は、顧客データを分析して、個々の顧客に合わせたパーソナライズされた商品提案やマーケティングを実施しています。また、AIを活用して在庫管理や物流を最適化し、迅速な商品配送を可能にしています。
3. 金融業: ネオバンクとフィンテック
金融業では、オンライン専業の銀行「ネオバンク」やフィンテック企業がDXを推進しています。例えば、PayPayや楽天ペイなどのキャッシュレス決済サービスは、スマートフォンを使って簡単に支払いができる環境を提供し、従来の銀行の概念を変えています。これにより、顧客の利便性が向上し、銀行のコスト削減にもつながっています。
4. 物流業: ドローン配送と自動運転車
物流業界では、DXによって配送の効率化が進んでいます。アマゾンは、ドローンを使った無人配送の実験を行っており、離島や過疎地への商品配送を効率化しています。また、自動運転トラックも開発されており、将来的にはドライバー不足の解消や配送コストの削減が期待されています。
5. 医療業: 遠隔診療とAI診断
医療分野では、DXが医療サービスを大きく変えています。遠隔診療サービスの普及により、患者は自宅から医師の診察を受けられるようになり、特に地方や過疎地域での医療アクセスが向上しています。また、AIを活用した画像診断では、がんなどの早期発見が可能となり、診断の精度も向上しています。
6. 教育業: eラーニングとオンライン授業
教育業界では、コロナ禍を契機にオンライン授業が急速に普及しました。多くの学校や大学が、ZoomやMicrosoft Teamsを使った遠隔授業を実施し、地理的制約を超えた学習環境が整備されました。さらに、eラーニングプラットフォームを通じて、学習の進捗管理や個別指導がデジタルで行われるようになっています。
変革マインドにシフトする
🔳新しいものには批判がつきもの
何か新しい仕組みを導入する時は一定数の批判があり、元に戻そうという力が働きます。
これを勝手に「DXホメオスタシス」と呼んでいます(笑)
経営側に強い意志が必要なのはこういう理由です。
🔳コンサル等を上手に活用
若手の経営者は都会やIT業界には多いですが、地方の介護業界というと、まあご想像の通りです。
中小企業の社長様たちは皆高年齢化してきています。
デジタルの仕組みは導入したけど、扱える人がいないという現象が次の壁です。
強い意志だけではなかなか前に進みづらいものです。今DXに関するコンサル業が熱いようなので、このあたりは「餅は餅屋」で進めていくといいと思います。
🔳最終的には人手がいらない介護ロボット
利用者のバイタルデータや動きなどをセンサーなどで未来を予想するAIだけではなく、実際に介護をするロボットも続々と開発されてくると予想されます。現に入浴機器などは日に日に進化しています。
目指すところは人間の判断で物事を動かすことをなくすこと、手間(労力)を完全になくすこと、そしてそれが人間の代わりになることにつながり、労働力人口の穴埋めとなっていきますが、穴埋め以上に進化していくことが予想されますので、
そうなったときに、人間である介護士は何をミッションとして与えられるのか、今から真剣に考えていかなければいけません。
kintoneとの出会い
まずここからじゃないかなと思い、今回はkintoneを紹介します。
弊社ではペーパーレス化が進む中、「さらにすっきり」を目指してひとまず、エクセル⇒アプリということでkintoneに出会いました。
Kintone(キントーン)は、クラウドベースの業務アプリ作成・管理プラットフォームです。コードの知識がなくても、サイド&ドロップ操作でデータベースや業務アプリケーションを簡単に作成できるのが特徴です。プロジェクト管理、営業支援、在庫管理など、様々な業務に対応でき、カスタマイズも柔軟に対応できます。
顧客管理や、交通費申請、お弁当注文、セミナー管理など、あらゆる業務に対応します。もちろん介護の現場でもバックオフィスでもある程度のことが実現できます。アプリのカスタマイズも簡単で、思いのままに使いながら日々改善し、育てていくことができます。
管理表や記録、申請をアプリ化する計画が動いています。このあたりはまだまだアウトソーシングに頼っています。kintoneを使ってオーダーメイドのシステムを開発中です。
次回はkintoneのシステム開発について少し深掘りしてお話しします。